教育プロジェクト「探検で出会う科学」の参加者が、ルースキー島を探索中に2020年の台風9号の影響で割れてしまった石板を発見。その石板には動物の肋骨や骨片が含まれていることが分かった。この珍しい化石を発見したのは、7歳のジーマ・シレンコ君。ジーマ君は小学校に入学したばかりだが、すでに古代のトカゲ類のことは知っているという。この発見は、同プロジェクトのフェイスブックで報告された。
参加者らは専門家に連絡し、この化石が魚竜であることが分かった。魚竜とは、絶滅した海棲爬虫類で形状は魚やイルカに似ているという。
地質学研究所のボロツキー氏は、以下のように語っている。
「魚竜は世界中の海で生息していました。魚竜の発見は、ルースキー島では2回目になります。魚竜の化石の一部は、マガダン州から沿海地方の南部にかけて発見されたことがありますが、非常に断片的なものでした。しかしルースキー島で魚竜は岩の中で部分的および全体が残された状態で見つかります。化石の標本を作る必要がありますが、この石板にはおそらく、骨格の中でも最も重要な部分である頭蓋骨が含まれていると思います。しかし、その頭蓋骨は2億2000年前に(何らかの理由で)引きちぎられている可能性もあります。」
インタビューでボロツキー氏は、石板に頭蓋骨が残っている可能性を否定しなかった。これは、今回発見された化石についてさらなる研究が必要であることを示している。また、この化石の魚竜は軟体動物を食べていたことが分かっている。
2014年にルースキー島で初めて発見された魚竜は、海で最も強力な捕食者ではなかったものの、二枚貝を頑丈なアゴでかみ砕いていたことが判明している。
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