海上プラットフォーム上に設置するイージスは日本にとって最善の代替案となり得るのか?

日本は迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の地上への配備計画を正式に断念したが、その代替案として海上プラットフォーム上に設置する案が検討されている。海洋プラットフォームに設置した場合、当初より高額にはなるが(4000億円。当初の地上配備案の場合、1基あたり2000億円)安全性は増す。迎撃ミサイルのブースターが市街地に落下する可能性は排除できる。また、敵が迎撃ミサイルシステムのレーダーを攻撃しようと考えた場合に、一般市民が被害を受ける可能性も排除できる。
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迎撃ミサイルシステムを石油掘削リグのような海上プラットフォームに設置する計画は突飛に思えるが、技術的には可能だ。

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2006年、アメリカはミサイル防衛用の強力な早期警戒レーダーシステムSBX(Sea Based X-Band Radar)を導入した。これは石油プラットフォームを改造した自走航行式の海上プラットフォームCS-50に設置されたものだ。探知距離1200マイルのこのレーダーはアラスカ、アリューシャン諸島海域に配備されている。このレーダーは敵のミサイルを追尾するほか、アメリカの弾道ミサイル実験の際の監視にも利用されている。

全長116メートル、全幅72メートル、高さ85メートルのCS-50プラットフォーム上に1814トンのレーダーアンテナ、各種装置、ジェネレーター、85人分の居住区が設置されている。

総じて、レーダーを海上プラットフォームに設置する例は成功している。しかし、こうしたプラットフォームは修理のため定期的にドックに入らなければならない。直近でSBX-1がハワイのドックに入ったのは2019年5月~9月である。

おそらくこれがミサイル防衛システムの拠点を載せた世界で唯一の海上プラットフォームであろう。この例は、イージス・アショアを海上プラットフォームに設置することは十分に可能だということを示している。施設全体で面積は全長約20メートル、全幅約20メートル、重量は金属構造物も含めて900トンと見積もられる。これはSBXレーダーの重量よりも軽い。そのため、イージス・アショアは多様なタイプの海上プラットフォームへの設置に十分適している。

海上プラットフォームには固定式と移動式がある。迎撃ミサイルシステムを配備するには自走式のプラットフォームの方が適している。第一に、アメリカが自国のミサイル防衛システムを拡大させている。アメリカ海軍はイージスシステムを搭載した艦船の数を2025年に48隻から65隻に増やす計画だ。同時に、古い型のシステムを新しい型に交代させることが想定されている。また、イージス・アショアをグアムとハワイに設置することも検討されている。もしそうなれば、日本の迎撃ミサイルシステムはポジションの変更を求められる可能性があるのだ。

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第二に、自走式の海上プラットフォーム上の迎撃ミサイルシステムは、日本をミサイル攻撃から防御するためや、琉球諸島で陸上部隊、海上部隊、航空部隊を防御するためなど、複数のポジションを選択することができる。東シナ海の海域で中国との局所的な武力衝突が発生する可能性がある。中国が標的(飛行場、基地、レーダー)へのピンポイント攻撃や艦船攻撃のために弾道ミサイルの改造を行っていることを忘れてはならない。中国と紛争になれば、琉球諸島やその海域に対するミサイル防衛の必要性は大きく増すことになり、そのためには迎撃ミサイルシステムがポジションを変える必要が出てくるのだ。

自走式海上プラットフォーム上のイージスシステムはポジションを変更することができる。しかも、かなり迅速に。これをベースにした日本の迎撃ミサイルシステムは、固定式海上プラットフォームよりも状況の変化に柔軟に対応できる。

日本の防衛強化という全体的なことを言えば、地対空ミサイルや迎撃ミサイル、対艦ミサイルなど、さまざまなミサイルを海上プラットフォームに設置することには展望がある。

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