米政治学者 米中戦争の脅威を警告

米国の政治学者クリストファー・レーン氏は「Foreign Affairs」誌に論文を寄稿し、米中が武力衝突の方針を固めたことにあらためて注意を促している。
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レーン氏は、米中が国際的地位と権威の座を争っており、現在の状況は第一次世界大戦前の状況に似ていると指摘。当時はドイツが軍事力と経済力を伸ばす中、英国が指導的立場を失い始めていた。現在、大きなカギを握るのが米中の利益がぶつかる東南アジアである。

中国との貿易戦争と技術覇権争いで譲歩する米国
米中の経済関係は、トランプ大統領が解き放った貿易戦争により断絶の危機に瀕しており、米国の技術政策の方向性について言えば、ファーウェイ(HUAWEI)のような中国企業を業界から締め出そうとしている。

また米中戦争の引き金となり得るのが朝鮮半島だ。米中は紛争を挟み対峙している。さらに同地域の緊張は南シナ海および台湾海峡における両国の軍事行動により高まっている。ワシントンはまた、台湾の地位に対する長年の中国の認識に異議を唱え、台湾を独立国家として支持する動きを見せるほか、台湾を守る軍事的責任についても公然と認めている。

中国に輸入を求めながら、自らそれを阻む米国
レーン氏は、双方が核兵器を有していても新戦争においては解決策とならないという。両国は黙示録的な壊滅を避けるため、精密攻撃にシフトを移していくだろうとの見方だ。

同氏は「米国が東アジアにおける自国支配を平和的に譲り、中国を対等な大国と認めるかどうかは、依然として疑問が残る。ワシントンはそうしなければ戦争へまっしぐらだろう。その戦争は、ベトナムやアフガニスタン、イラク戦争の悲劇も薄い影になってしまうほどのものだろう」と結んだ。

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