オスロ―にあるノルウェー・ビジネススクールのヨーゲン・ランダース氏、ウルリッヒ・ゴルケ氏の2人は、1850年から現在に至るまでの気候変動を網羅した独自のモデルを構築し、その結果から2500年までの地球規模の気温上昇と海面上昇の予測を行った。
予測モデルによって示された最も良好なシナリオは、温室効果ガスの人為的放出が2030年代にピークに達し、2100年頃までにゼロレベルまで下がるというもので、この場合でも2500年までは地球全体の気温は3度上昇し、海面レベルは1850年の状態に比べて2メートル半上昇してしまう。
また仮に、現時点で突然温室効果ガスの放出がゼロとなった場合でも、地球全体の気温はさらに100年は上昇し続ける。これはグローバルな気候システムの持つ慣性の法則と、一旦始まってしまった北極圏の氷と永久凍土の融解がその状態を温存したまま進行してしまうため。
このモデルから研究者らは、気温上昇、海面レベル上昇を食い止めるためには温室効果ガスの放出を全面的に停止するだけでは不可能であり、さらに毎年大気圏から33ギガトンの炭酸ガスを除去し、何らかの方法でこれを再利用するか、貯蔵せねばならないという帰結を結んでいる。
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