仏テレビ局「LCI」が19日に報じたところによると、この憲章は、教育や国家から宗教を厳格に分離することを定めるもので、イスラム教は宗教であり、政治運動ではないと記されている。またこの憲章では、フランスのイスラム教徒のコミュニティへの外国からの干渉が禁じられている。
英BBCによると、マクロン大統領はフランスのイスラム分離主義と呼んでいるものに対抗するための新たな措置を発表した。その中には、以下の事柄が記されている。
- 宗教を装って国家公務員を怖がらせる者に対し、ホームスクーリング(自宅学習)の制限と厳罰化を。
- 子ども一人一人に識別番号を割り当て、登校しているかどうかを確認する。現在フランスで認められているホームスクーリングは、来年度から禁止する。親が違反した場合、懲役最大6ヶ月と高額の罰金が課せられる。
- 部外者が目的の人物を捜索でき、危害を加える状況を招くような形での個人情報の拡散を禁止。
フランスのイスラム教指導者らは、イマーム(イスラム教指導者)の全国評議会の設立に合意している。評議会のメンバーは説教の活動に対し公的な認定を受けることになる予定。もし認定規約に違反した場合、その認定は取り消される可能性がある。
ジェラルド・ダルマナン内相はこの憲章について18日、「我々はイスラム教の圧迫から子どもたちを守らなければならない」と同国紙「ル・フィガロ」にコメントしている。
10月16日、パリ郊外で歴史の教師のサミュエル・ パチ氏が不審者によって頭を切断され、殺害された。 パチ氏は授業で預言者モハメッドの風刺画を生徒らに見せていた。 殺害の前にパチ氏には名指しの脅迫状が送られていた。 パチ氏を殺害した男は警察に銃殺されている。 仏反テロ検察のジャン・フランソワ・リカル長官は、襲撃した男は 2002年モスクワ生まれのチェチェン人で仏での亡命申請を受理 されていた。
事件後、マクロン大統領は、フランス当局は「 過激なイデオロギーの持ち主と彼らがつくった組織に対しする積極 的な闘いを展開する」と警告し、 風刺画の掲載が禁止されることはないと述べた。
またマクロン大統領は、世界中のイスラム危機について発言し、 国家と宗教の分離をさらに強める法律改正を約束した。