大きな変化
バイデン氏は、20日に表した声明の中で、新政権の閣僚を発表できることを嬉しく思うと述べ、新たな閣僚のメンバーは、この困難な時期に米国が必要としている変化を起こす一助となるだろうとの期待感を表した。
バイデン氏はすでに多くの人事を発表している。中でももっとも早い段階で行ったもっとも大きな人事は、カマラ・ハリス氏の副大統領指名である。もし実現すれば、米国史上初の女性副大統領となる。加えてハリス氏は黒人として、またアジア系(母親がインド人)として初めての副大統領ともなる。
またバラク・オバマ米前大統領の元閣僚によれば、国務長官にはトニー・ブリンケン氏が任命される可能性がある。ブリンケン氏はバイデン氏の長年の側近である。
また報道によれば、国防長官には第一次オバマ政権で国防次官を務めたミシェル・フロノイ氏が有力視されている。フロノイ氏はビル・クリントン政権時代にも核軍縮問題を担当していた人物で、過去にはロシア担当の専門家であった。
11月の3週目に、バイデン氏は主要な閣僚の一つである財務長官をすでに選んだと発言していた。これについてメディアは、連邦準備理事会のメンバーであるラエル・ブレイナード氏か、同理事会前議長のジャネット・イエレン氏ではないかと見ている。もしこの予測が当たれば、米国史上初の女性財務長官となる。
一方、CNNテレビの予想では、 商務長官には中国系の実業家、アンドリュー・ヤン氏が起用されるのではないかとされている。かつて大統領選の民主党候補指名をバイデン氏と争った人物である。
女性が舵をとる?
閣僚の顔ぶれについてはさまざまな予測があるが、それらを総合的に見ると、新たな政権では全体の80%を女性が占めることになるものと見られる。また様々な民族のルーツを持つメンバーが顔を揃える多様性のある政権が誕生するだろうとの見方が強い。
もっとも、米大統領選は正式にはまだ終わっていない。ドナルド・トランプ大統領が訴訟を続ける中、バイデン氏はそれでも主要閣僚を発表するとの意向を示している。