先にTPLF指導者のデブレツィオン・ゲブレミカエリ氏はロイター通信の取材に応じた中で、州都メケレが激しい空爆を受けているとコメントしていた。TPLFは国内少数派のティグレ族で構成されており、エチオピア最大の民族であるオロモ族出身のアハメド・アビー氏が首相を務めるエチオピア連邦民主共和国からの独立を要求している。
ゲブレミカエリ氏は取材の中で、「彼ら(政府軍:スプートニク編集部)の残虐性により我々の団結は高まるばかり、征服者たちとの戦いを最後まで継続する」と発言し、独立に向けて徹底抗戦を続ける姿勢を強調した。
一方、モスクワにあるエチオピア大使館のアレマイエフ・テゲヌ・アルガ大使はリアノーボスチ通信の取材に対し、政府軍はティグレ州で解放作戦を実施し、州都に迫っているとしたものの、州都を対象とした空爆は実施していないと発言していた。
アビー首相は解放作戦が終了したことを受け、破壊された都市の復興と、拘束されたTPLF戦闘員の起訴に向けた手続きを急ぐとした。政府軍は州都メケレで捕虜になっていた「数千人」のエチオピア兵を解放したという。また、政府軍は空港や公共施設、州の行政機関、その他の重要施設を管理下に置いたとしている。
アビー首相は11月4日、TPLFがティグレ州の政府軍に攻撃を仕掛けたと批判した。間もなく同州に非常事態を宣言し、TPLFに対する軍事作戦を開始した。
なお、アビー首相は、隣国エリトリアとの紛争終結にもたらした功績が評価され、2019年にノーベル平和賞を受賞している。
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