冬至 1年で1番日が短い日
まずは、自然科学的なアプローチから迫ってみよう。冬至は1年で日が最も短く、太陽は地平線上で最も低い位置にある(一方、夏至では太陽は最も高い位置にある)。2020年の冬至は、日の長さが1年で最も短い9時間強。一方夜は最も長くなり15時間半となる。冬至を過ぎると夜の長さが短くなり、日はゆっくりと、しかし着実に延びていく。
地球上の全ての人々は、太古の昔から自然のサイクルとともに生活を営み、太陽を敬い、自分たちの生活は太陽からの光と暖かさにかかっていることを理解していた。
ゲルマン民族の伝統と風習
様々な民族の間で冬至の名称は異なり、その風習もいくらか異なってきた。ヨーロッパにおいて、異教の(キリスト教を取り入れる以前の)ゲルマン民族は、冬至をユールと呼んでいた。研究者らはこのユールについて、(空や大地を伝説上の猟師が移動する)ワイルドハントや、神話の神オーディン、古代イングランドでのモドラニヒト(北西ヨーロッパで崇拝されていた女性の神マトロナエ)と関連があるとみている。彼らは冬至の際、自然の精霊を招待するために家の中や外にモチノキ科、ヤドリギ科、キヅタ属の植物を飾っていたという。
(ゲルマン系のバイキングが住んでいた)アイスランドでは、ユール・キャット(猫)という伝説が信じられている。その猫の目はまるで火のように燃えていて、体の大きさは雄牛ほどで、食欲も牛並み。冬至になると、親の言うことを聞かない子どもの前にユール・キャットが現れるという。
ケルト人は、冬至にトウヒの枝を玄関や窓、暖炉のそばに美しく飾っていた。この日は、儀式として樫の木の薪に火を必ず灯していた。それはまるで新しい太陽の誕生を手助けするようなものだったという。
スラブ人と冬至
冬至の日、スラブ人はコリャダー(フィギュアスケートのロシア人選手の名字も正にこれなのだが)という行事を行っていた。この日、人々は(動物の革や角を被り、仮面を装って)仮装して家々を尋ね、歌やダンスを踊る。するとそのお返しにご馳走が振る舞われ、歌が歌われ、占いをしてもらっていた。
キリスト教の出現後も、冬至の伝統は残った。そのため、クリスマス期間であるスビャトキは年が明けてから始まる。この期間は、クリスマス・イブ(正教会では1月6〜7日)から神現祭(1月18日~19日。イイスス・ハリストス(イエス・キリスト)の洗礼を祝う日のこと。1年で最も寒い時期とされている)までとなっている。
他の文化における冬至
冬至の日、ペルシャでは太陽神ミスラの誕生を祝っていた。この日に行われた行事により、ミスラは冬を越え春への道を切り開いていたとされている。
ヒンドゥー教徒は、冬至をサンクランティと呼んでいる。現地では冬至の前夜、シク教とヒンドゥー教のコミュニティで火を灯して祝っていた。その炎は寒い冬の後に地球を暖める太陽の光線に似ていると思われていたからだ。
冬至の日 何をしてはいけないの?
占星術師は、遠い祖先の習慣とは対照的に、冬至は自宅で家族や友人とともに過ごし、野外で行われる騒がしい行事への参加を控えるように勧めている。
占星術師によると、この日にはアルコールをたくさん摂取してはいけない。また有害で脂肪分の多い食べ物を食べてはいけない。一人で過ごしてはいけないとアドバイスしている。冬至の日は買い占めるなど欲張ることをしてはいけない。そうすると2021年に失敗とお金がない状況が起こり、その逆だと幸運と繁栄が待ち受けているという。冬至は、前々からの借金がある状態で過ごしてはいけない。冬至の前に借金の支払いをすませるようにしておく。
来年に起こるトラブルを避けるためにも、家が汚い状態で冬至を迎えてはいけない。冬至には、古いもの、不要なものや壊れたものを処分し、喜びをもたらさない人間関係などを終わらせることが重要だという。翌年にそういったつながりを持ち越しても意味がないからだ。