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月面で新たに10万超のクレーターが発見

機械学習法を使い、研究者らがこれまで確認されていない月面のクレーター約10万9000個を確認、そのうち約1万9000個の形成時期を計算することに成功した。研究結果が学術誌『ネイチャー コミュニケーションズ』で発表された。
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中国の吉林大学と中国科学アカデミーの研究者らはイタリアとスペインの科学者らと共同で、衝撃によって生じた月面のクレーターを調査するため、中国の月面プログラムである月周回衛星「嫦娥1号」と「嫦娥2号」のデータを使用した。これら衛星は2007年から2010年にかけ月面の地図の作成と写真撮影を行った。

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これらの機器は500メートルと120メートル、7メートルの解析度ですべての月面を撮影した。研究者らはディープニューラルネットワークを習得させることでクレーターを識別し、年代が推定された1411個の対象物と、すでに確認がされている7895個の対象物を例にしてクレーターの形成時期を特定した。

その結果、システムは軌道衛星の画像に月面の中・低緯度の区域に10万9956個の新しいクレーターを確認した。これはこれまでの全期間で発見されたものよりも数十倍の多さとなる。

直径が8キロを超える1万8996個のクレーターに関してネットワークは形成時期を特定した。それらは全太陽系システムの歴史を理解する上で重要となる。

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直径のサイズが50キロから550キロの巨大クレーターの大部分は、月のもっとも初期の先ネクタリス代の地質期に関連している。この時期は約40億年前に終了している。一方でもっとも小さいクレーターは、基本的にはネクタリス代とコペルニクス時代に一致した。

研究者らは、これらの結果はの中・低緯度区域のクレーターに関する最新データベース作成で土台とすることができると考えている。また研究者らは、彼らによって研究されたアプローチが太陽系の他のテーマへ応用される可能性を示唆した。

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