ポズニャク氏によると、新型コロナウイルスのパンデミックによる心理的・社会的な影響を受けやすいのは、神経生物学的において脳が成長する時期、社会面での人格が形成される期間である幼少期とティーンエイジャーの時期にあるという。これらの形成がどのような条件で行われるかによって、その子どもの将来における社会への適応能力が決まる。だからこそ、ティーンエイジャーの時期には同い年の仲間との交流、その仲間からの影響や承認が特に重要だとポズニャク氏は指摘している。
ポズニャク氏は、「新型コロナウイルス感染を抑制することを目的とした物理的に距離を置く対策は、小さな子どもやティーンエイジャーが仲間と交流する機会を減らし、精神衛生に悪影響を及ぼす恐れがある」と警告している。ビデオチャットやデジタル技術による友人間のコミュニケーションが普及しても、その方法で状況に完全に対処できるわけではないという。同氏は、親族との接触を増やしたとしても、物理的に距離を置く対策による負の影響を緩和することはできないだろうと指摘している。
同氏によると、パンデミックにより子どもやティーンエイジャーが物理的に距離を置いて生活する上での問題に社会が直面したのはこれが初めてであり、そのため研究者らは、制限的な検疫措置が子どもたちの成長や精神面に長期的にどのような影響を与えるのかは本当のところはまだ分かっていないという。