平壌では朝鮮労働党第8回大会の開催に合わせて軍事パレードが行われた。パレードは14日の夜に行われたものの、北朝鮮の朝鮮中央通信は翌日まで報道しなかった。北朝鮮当局は、今回の軍事パレードで潜水艦発射弾道ミサイルを公開。キム教授は以下のように指摘している。
「北朝鮮の最優先課題は、朝鮮労働党第8回大会で打ち出された新たな経済発展5カ年計画が実現できるようにするために国民の安全保障上の不安に対処することであり、また国内が団結することによって経済に集中し、安全は保障されているという雰囲気を示すことだ」
公開された写真だけで判断すると、2020年10月10日に行われた労働党創立75周年記念パレードでは車輪数が11軸の移動式発射台に大陸間弾道ミサイル(ICBM)が搭載されていたが、今回はそのICBMも、他のICBMもない。キム教授は、「楽観主義者は米国をイライラさせたくないという思いがあると言うかもしれないが、その思いは実現しないだろう。結局のところ、ICBM以上のものを見せられることになった」と述べている。
今回の軍事パレードでは、「北極星5」と命名された潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)が初めて公開された。外観は朝鮮労働党75周年記念の軍事パレードで公開された「北極星4A」と比較しても大きな変化はないのでモックアップ(模型)である可能性が高い。これにはおそらく、北朝鮮が党大会で言及した核弾頭を搭載した原子力潜水艦やSLBMの開発計画が背景にある。キム教授は、「このミサイルについて、朝鮮中央通信は『潜水艦戦略弾道ミサイル(世界最強の兵器)』と報じていたので、私の考えでは、核搭載SLBMを搭載する原子力潜水艦に関する話ではないかと思う」と指摘している。
しかし、朝鮮労働党第 8 回大会で発表された新兵器の開発計画は、その多くが開発の初期段階にあり、開発実現には多くの時間を要し、技術的・財政的に困難に直面することが予想される。
北朝鮮は昨年10月、労働党創立75周年を記念して軍事パレードを実施。このパレードでは、大型化が実現し、射程距離が伸びた可能性がある潜水艦発射弾道ミサイル「北極星4A」と、車輪数が11軸の移動式発射台に搭載された名称不明の新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)が公開された。
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