先に英国のジョンソン首相は同国で確認された新型コロナウイルスの変異種による感染後の死亡率が通常の菌株と比較して30パーセント高いとした。また、感染拡大の水準が極めて高いことから、ロックダウンの解除については当分言及できないと指摘した。
WHOの疫学者、マリア・バンケルコフ氏はジョンソン首相の発表について、次のようにコメントした。
ウイルスの感染速度が上昇すれば、(感染する)ケースも増えてくる。仮にケースが増えれば、入院するケースが増えることはだれの目にも明らかであると思う……(医療体制が)崩壊している状況において死亡率は上昇するものだ、崩壊しているのだから。
英国では1月上旬から3度目となるロックダウンが全土で導入されており、その厳しさは最初のロックダウンに相当する。
英国で新規感染者数は徐々に減少しているものの、政府は検疫体制を3月末まで延長する可能性を指摘している。また、規制措置についても大幅に引き上げる可能性がある。
英国型変異種
英国のハンコック保健相は2020年12月14日、国内で新型コロナウイルスの変異種が検出され、これがイングランド南東部での急速な感染拡大に関係している可能性があると伝えた。現時点での分析によると、変異種は従来種よりも感染速度が速く、感染力は70%余り強い可能性があるという。世界保健機関(WHO)によると、新型コロナウイルスの英国型変異種はすでに60カ国・地域で確認されている。