朝日新聞の内閣支持率の世論調査では33%と前の月に比べ6%下がり、逆に不支持は45%にまで増えている。新型コロナウイルス対策については63%が内閣の対応は不十分と答え、十分に対応していると答えたのはわずか25%にとどまった。しかも73%がコロナ対策で菅首相は十分な指導力を発揮していないと考えていた。
調査は1月21日の衆議院本会議の代表質問の後に実施されている。代表質問では野党は五輪開催について、パンデミック対策についての答弁が短すぎるとして菅首相を痛烈に批判していた。
ロシアの世界経済国際関係大学、アジア太平洋調査センターの研究グループを率いるヴィターリ・シヴィトコ氏は、「日本でのワクチン接種は2月にようやく始まろうとしており、これは数か月にわたる。ワクチン接種が決定要因になることはありえない」として、次のように指摘している。
「ワクチンの結果、またはより入念な感染ルートの追跡の結果、感染率のレベルが下がっていけば、政府、首相への信頼も上がる。同時に極めて重要なのは経済要因で、これは感染の動きに直接的に左右される。野党は与党、首相に批判を浴びせようと常にあらゆる問題点をついてくる。日本では安倍前首相の側近絡みのスキャンダル騒ぎが落ち着いておらず、その裾野が菅氏をも引っ張り、評判に否定的に影響している。なぜならば菅氏は人選に責任を負っているからだ。五輪がどうなるかは全く予測が立たない。世論調査では、日本国民の大半が五輪を今年開催することは合目的的ではないと考えているものの、開催を取りやめた場合、日本の首相は自分のポストで意義あることを達成したとデモンストレーションすることができない。」
シュヴィトコ氏は、今回の支持率調査は瀬戸際まで追い詰められた危機感はないものの、この先数か月間で内閣、首相支持率が20%を下回った場合、政府にとっては良くない兆候となるとして、さらに次のように語っている。
「菅氏にはカリスマ性が不足している。首相就任以来4か月、この間に支持者をさえ演説でたきつける術は習得できなかったし、有権者の心に浸透する言葉も探し当てていない。自民党指導部には強く、鮮烈な政治家らがいる。もし状況が夏の終わりまでに改善されなければ首相職を狙う者は多く出てくるだろう。だが、これを語るのはまだ時期尚早だ。」
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