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フィギュア新形式トーナメント ロシアの考案はなんと男VS女

フィギュアのロシア国内大会に新たなフォーマットが誕生した。チーム対抗戦ではあるものの、従来の国際大会の方式とは異なり、 プログラムの1部にジャンプトーナメントが入っている。
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ジャンプトーナメント その見どころは? 

ジャンプトーナメントは、主たる大会であるチーム対抗戦「フィギュアスケート チャンネルワンカップ」の前に、それとは別物として開催される。理由はジャンプトーナメントが競技というよりはフェスティバル的な形式で行われるからだ。

ジャンプトーナメントの主要な課題は選手に十分な「ウォーミングアップ」の機会を与え、その先のチーム対抗戦に頭を切り替えさせること、観客を惹きつけ、あっと驚かせることにある。

このモスクワでのジャンプトーナメント、その見どころは、チーム構成が通常の男女混成ではなく、男子VS女子と型破りにした点だろう。

 「ロシアのロケット娘」ことアレクサンドラ・トゥルソワ(16)はジャンプトーナメントの前宣伝動画ですでに男子らに挑戦状を投げつけている。 ロシア語では女性を「弱い性」、男性は「強い性」と表現されるが、実際にどっちが「強い性」なのか見せつけてあげるわ、というわけだ。

「ジャンプトーナメントではサーシャが男子に挑戦状を投げつけてるな 😎男子よ、しっかりやれよ」

 プロの世界でのジェンダーによる区分には、女性の側からは前々から不公平感が示されてきた。するの世界も例外ではない。か弱いロシア人女性ら(と同時に女子シングルの世界最強者)は男性に、自分たちのウルトラC要素は男子の複雑な演技にひけをとらないところを証明してやろうと決意した。

女子選手は4回転、トリプルアクセルをますます積極的にプログラムに取り入れるようになっている。入れている。五輪2冠で今回審査員として参加するマキシム・トランコフ氏は、この傾向からジャンプトーナメントというアイデアは今、文字通り「あらゆる空間に満ち満ちている」として、次のように語っている。

「女子は4回転ジャンプ、トリプルアクセルで信じがたい成長を見せていますよ。だから男子との対抗戦で女子の演技を見るのはすごく面白いでしょうね。結果がどう出るかは、何とも言えません。男子の方がウルトラCエレメンツをこなすのは楽だと言われますが、ジャンプの基礎点はそれがどれくらいミスなく、きれいに跳べたかによりますからね。跳ぶ高さ、回りきれたかどうか。これは必ず加味されるんですが、まさにこのきれいに跳べたかという点では女子は十分に男子を凌駕できるんですよ。こんなわけでこの『決闘』は息をのむような見ごたえがあるでしょう。同僚の間ではもっぱら、ジャンプトーナメントを制するのは女子だといわれています。とはいえ、私はそう簡単には言い切れないんですが。」

ストックホルムのフィギュア世界選手権2021は無観客で開催
トランコフ氏は、女子チームは最強だが、自分としては疑問もあると語る。男子チームは全員が4回転を跳べるのだが、女子はそうではない。たとえばエリザベータ・トゥクタミシェワなどはトリプルアクセルは武器にもっているが、4回転はフリースケーティングに入れようとトライしている段階だからだ。

それでもトランコフ氏は、勝利の女神が女子に微笑むことだってありうるという。「ロシアのロケット娘」アレクサンドラ・トゥルソワは4回転ジャンプをほぼすべてマスターしているし、アンナ・シェルバコワ(16)もフリーでは常に2つの4回転を安定して決めている。それに一番若手のカミラ・ワリエワ(14)などは、4回転ジャンプと両手を挙げた状態でのトリプルアクセルと、一気に2つのウルトラCエレメンツを見せつけ、観客を驚かせているからだ。

ジャンプトーナメントの得点はチーム対抗戦にどう反映されるか

ジャンプトーナメントはチーム対抗戦とは別物として評価されるため、そこでの得点は、その翌日にすぐ実施される混成チームの対抗戦の総合結果には反映されない。

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