研究者らはすでに動物を使った新薬の実験を終了しており、このバイオ薬品が従来のものよりも短時間で効能を発揮し、また放射線の粒子を吸収する力は2倍になったと明らかにしている。とりわけ、これは放射能汚染区域では重要なものである。
ロシアの化学者らは、人体を放射線から守ってくれる薬品の効果に、気温、そして腸粘膜の酸性など外的要因が、どのような影響を及ぼすかについて実験を行った。その結果、20℃から50℃の間では、危険な物質を吸収する能力にはほとんど変化がなかった。また腸粘膜の酸性のレベルが異なっても、薬品の効果には差がないことが分かった。
実験での薬品の調合において、研究者らは人体にとってもっとも危険とされる、半減期の長いセシウム同位体への効果性に特に注目した。その結果、危険性の高いセシウム同位体を素早く発見し、吸収する薬品が開発されたとのこと。
ロシア人研究者によって開発されたこの薬品は、原子力産業の職員たちに大きな希望を与えるものである。薬品は危険区域に入る前に服用する。
原子力の平和利用においても、危険な事態が生じることがある。2020年12月にはフィンランド原子力発電所でも事故が起きている。
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