研究者らは今回、ドイツ南東部(バイエルン州)にある6つの花粉モニタリング地点と1987年から2017年までの過去30年間のデータに基づいて、花粉シーズンの変化を調査した。その結果、この間でハシバミ属やハンノキ属などのいくつかの樹種では、毎年2日ずつ開花時期が早くなっていることが分かった。さらにシラカバやトネリコ属などでは、開花時期が毎年0.5日ずつ長くなっていることが判明した。
研究者らは、花粉症シーズンの開始時期とのその期間の長さが変化しているのは、大気中の二酸化炭素濃度が高くなったために、気温が上昇し、花の開花時期が通常より早くなったという事実に起因するとしている。これにより開花時期が長くなり、以前よりもはるかに多い量の花粉が大気中に放出されることになったのだという。
また、気候変動により、多くの樹種で生育エリアが変化していることが明らかになった。これには、そういった樹種がこれまで目にすることがなかった地域で生育するようになったという背景がある。その結果、人々の免疫系はこれまで遭遇したことのない花粉にさらされることになった。さらに研究では、花粉は何百キロもの距離を移動することができ、アレルギー体質の人が自分の体になじみのない花粉に遭遇する危険性が高まっていることが分かった。
スプートニクは以前、米国とカナダの研究者による開花時期に関する研究について報じている。
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