韓国のハヌル原発は日本海沿岸に位置しており、原子炉の冷却に海水を使用している。ブルームバーグは、海岸で直接海水を冷却に使うのは便利であり低コストで済むが、海の動植物相にこれが影響しないわけはないと指摘している。
普通、タリア綱の生物は給水システムに入り込んでしまっても原発の作業に支障をきたすことはなく、給水システムから海中へさっさと戻ろうとする。ところが今年、この生物の活動が活発になる時期が通常の6月から突如3月に前倒しになった。タリア綱は互いにくっつきあい、数メートルもの長い鎖状になる。原発側はこの鎖の襲撃対策に間に合わなかった。
原子炉の発電量はそれぞれ950メガワット。2基の停止で送電量に生じた不足は予備の発電所からの送電だけでは間に合わず、液化天然ガスの供給にも頼らざるを得なかった。前回の停止の際に購入された液化天然ガスは6万トンで2180万ドル(23億8600万円)が費やされている。
ブルームバーグによれば、韓国人研究者らは、タリア綱の大量発生はこの時期には異常な水温の上によるもので、一時的な現象とも地球温暖化の結果ともどちらともとれるとしているが、事態が繰り返されるようであれば、原発の給水システムには補足的な措置を講じざるをえなくなる。
福島第1原発の場合は状況は逆で、放射能の汚染水を海洋に流すことのできるレベルまでいかに除染するかが問題となっている。
関連ニュース