脳の早期老化の要因が見つかる

生物学者たちは、赤血球内における酸素の放出を司るたんぱく質の不足が、認識力の低下や早期老化を引き起こすことを発見した。研究結果が、PLOS Biology誌に掲載された。
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米国と中国の学者らは、マウスを使った実験を行い、血液中のADORA2Bタンパク質の含有量が減少すると記憶力や聴覚が低下し、脳内で炎症が発生し、老化が加速することを発見した。

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ADORA2Bタンパク質は赤血球の膜に存在し、血液から酸素を放出するのに役立つが、その含有量は年齢とともに低下する。学者らは、この低下と脳の老化との間に直接的な関連が存在すると考え、マウスでテストした。

対照実験では、加齢に伴い、ADORA2Bタンパク質を持たないマウスには、コントロールグループよりも強い認知機能低下の兆候が表れた。また、脳内炎症のプロセスもより早く進行した。学者らは、若いマウスを酸素欠乏状態に置く実験も行った。ADORA2Bタンパク質を持たないないマウスたちには、通常のマウスよりもはるかに強い酸素欠乏の行動的および生理学的効果が表れた。

ここから学者たちは、酸素が不足した場合、ADORA2Bタンパク質が脳への追加の酸素供給を調節していると結論付けている。年齢とともに、脳への酸素供給量は低下し、脳の老化速度はADORA2Bタンパク質がどれだけ効果的に機能するかに大きく左右されるとし、学者らはADORA2Bを「アンチエイジング・たんぱく質」と呼んだ。

なお、脳の老化を防ぐために薬を使ってADORA2Bタンパク質の低下を抑​​制できるかどうかを理解するには、さらなる研究が必要だという。

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