中国でのマイニング禁止は環境にマイナス影響か?

中国でのマイニング(採掘)禁止は環境を悪化させる可能性があると日本のメディアが伝えている。中国はこれまで繰り返し、二酸化炭素排出量が多いと非難されているが、ジャパンタイムスによると、中国は再生可能エネルギーの利用規模で最大となっている。したがって、採掘業者らが中国から海外へ脱出すれば、彼らはあまり環境にやさしいとは言えない方法で電力を得ている他の先進国へと向かうことになる。
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中国はかなり以前から、DeFi(分散型金融)には反対の政策をとっている。

中国の仮想通貨採掘業者の流出は、米国の採掘業界に利益をもたらす
2013年に、中国政府は国内の金融機関に対し、ビットコインに関連するリスクについての警告を発した。また後の2017年には、ビットコインの取引所を禁止、また新規コイン公開(ICO)を違法とした。そして2021年、国務院金融安定発展委員会は、ビットコインをはじめとする暗号資産の取引に対する取り締まりを強化する必要があるとの立場を示し、個人のリスクを社会に拡散するのを阻止すると明言した。

政府から明確なシグナルが出された後、中国では次第にマイニングが規制されるようになった。また内モンゴル自治区、雲南省、四川省、新疆ウイグル自治区などでも、仮想通貨マイニングの規制強化が発表された。こうした動きを受け、ビットコインのレートは大幅に下落したが、世界のハッシュレート(採掘に利用されるコンピューターの計算力を測る指標)に中国が占める割合は60%となっていることを考えれば、これは驚くべきことではない。今、中国の採掘業者たちは、マイニング装置を停止し、手放すか、それらを設置することができる代替国を模索している。

日本のメディアが伝えるところによればпишут、今月、グルジア、カザフスタンなど途上国では、仮想通貨取引業者やマイニング業者に大量に顧客が押し寄せているという。これらは、電力料金がそれほど高価でない国々である。いずれにせよ、マイニングは別の管轄の国―何より規制が緩く、暗号資産採掘のためのコストが低いところへと移っていくことになる。しかし、こうした国では再生可能エネルギーの割合が中国よりも低いことから、マイニングによる環境ゴミの量は全体的に増加することになる。ケンブリッジ大学が発表したデータによれば、現在、ビットコインのマイニングだけでも、全世界で年間133.68テラワットアワー(TWh)の電力が使用されている。これはスウェーデンあるいはウクライナの年間電力消費量を上回るものである。中国科学院と清華大学の計算によればрасчетам、もし現状がこのまま維持されれば、2024年には、中国におけるビットコインのマイニングだけで296.59TWhの電力が消費され、1億3,000万トンの炭素が排出されることになる。

「環境に優しい」なんて大嘘 「エコ」暗号通貨の開発者 に偽善と非難
中国は、2060年までにカーボンニュートラルを達成する義務を負っており、環境面だけを考慮しても、マイニングに注意を払わないわけにはいかない。しかし、これ意外にもう一つ重要な局面がある。分散型金融の匿名性は地下経済の成長の前提条件を作り出した。つまり、暗号資産が使用された場合、マネーロンダリングの撲滅や不正な国外への資産持ち出しを規制するのが非常に難しくなるのである。また暗号資産のボラティリティー(価格変動の度合い)も深刻な脅威となっている。多くの中国人が儲けるのを目的に、ビットコインやその他の暗号資産に投資するようになった。ときには貯蓄のすべて、または借金した資金を投資することもある。しかし、暗号資産市場の動向を予測するのはほぼ不可能であることを考慮すれば、個人のリスクが国の金融システム、そして社会分野に拡散される可能性がある。

中国にとって重要なのは、資産やインフラが投機的取引ではなく、実際的な経済部門のために使われることである。通貨のデジタル化は客観的な前進である。しかし、そのプロセスは国家によって統制されるべきだと中国政府は考えている。中国はデジタル人民元の開発でその他の国を大きく引き離している。

中国人民大学重阳金融研究院の賈普京副院長は、「スプートニク」からのインタビューに対し、次のように述べている。

デジタル人民元と仮想通貨通貨はまったく別物です。またDeFiは単なる資産なのです。デジタル人民元は、法的に認められた支払い方法です。そしてこれは交換可能なものではありません。仮想通貨それ自体には何も悪いことはありません。問題は、仮想通貨を使って投機が行われている、しかも世界的規模で行われているという点です。つまり、作られているのは、実際の価格ではなく、幻想のようなものです。そこで、わたしたちは、世界は少しずつ、国のデジタル通貨を開発する必要があるということを理解しつつあると見ています。中国はデジタル人民元を作っています。もちろん、仮想通貨とデジタル通貨の間に一定の対立があることは否定できませんが、暗号通貨というのは単なる商品であるということを忘れてはなりません。またここでそれ以外の利益を探す必要はないのです」。

ビットコインのマイニング 研究者らが気候への悪影響を警告
もちろん、マイニング業者は一定の損害を被ることになる。業者は装置を購入するために、数億ドルを消費したからである。実際、中国は世界でも最大の計算性能を有している。しかも、必要な装置や部品のサプライチェーンが形成されている。たとえば、中国のビットメインは、仮想通貨の採掘用ASICを製造する世界最大企業である。とは言え、マイニングの規制強化により、これらすべてのインフラがもはや誰にも必要とされなくなったという訳ではない。賈普京氏は、これらは国のデジタル通貨の発展にも役立つと指摘する。

「もしもデジタル人民元がもっと広く流通するようになれば、4G 、5Gをカバーする上質のネットワークインフラが必要となります。3Gネットワークはこれらの目的には適していません。しかし、多くの国のネットワークインフラは、中国とは異なり、3Gで構築されています。しかも、ビットコインのマイニングは強力な計算インフラに依存しています。現在、計算性能のおよそ70%が中国に集中しています。中国はマイニングに対し、戦争を始めると宣言したのです。しかし、これらの性能が無駄になることはありません。これらはデジタル人民元のインフラの維持するために使用されることになるのです」。

現在、中国のいくつかの都市で、デジタル人民元の運用が試験的に行なわれている。またデジタル通貨が適用できる分野はますます増加している。現在、実験のための中国人民銀行との協力には、オンラインサービスだけでなく、実店舗を持つリテーラーやタクシーの予約サービスなども加わっている。最近では、デジタル人民元は北京や蘇州の地下鉄の料金支払いにも使われるようになった。デジタル人民元の技術的な機能については今のところまだ詳細は明らかにされていない。中国人民銀行は、デジタル人民元はブロックチェーン上でも機能するが、中央集権的に管理するのは人民銀行であるとしている。

国際決済銀行の統計によれば、加盟国65カ国のうち86%が自国通貨のデジタル化について積極的に検討しているという。60%の国ではすでに実験を開始、14%はすでにデジタル通貨での試験的運用を始めている。このように、国のデジタル通貨がより広く流通するようになれば、主に米ドルが支配する現在の世界の金融システムを根本的に変えることになるだろうと専門家は指摘している。

「いずれにせよ、将来的には、各国の通貨がデジタル化されるでしょう。これはもはや時間の問題です。そして通貨のデジタル化が実現すれば、世界の金融システム全体に多大な影響を与えることになるでしょう。たとえば、現在、国際貿易においてはドルが優先的なものとなっています。それはドルがもっとも使いやすいからなのですが、この利便性は現在の伝統的な金融インフラの仕組みのそうなっているからです。しかし、もしデジタル通貨が一般的なものになれば、ドルを使う利便性は失われる可能性があるのです」。
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