米国務省の3人に1人が転職活動

米国務省の外交官やサポートスタッフの約3分の1が、離職を検討し、新しい仕事を積極的に探していることが分かった。米ニュース誌「フォーリン・ポリシー」が報じている。同誌は、この傾向は「米国の外交団のモラルと管理における危機」だと指摘している。
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これは、米ハーバード大学ケネディ行政大学院による調査で明らかになった。それによると、予測される離職率は、国務省側が予想していた割合よりも高く、数でいうと2016年に離職した職員の約2倍に達していた。

同誌によると、専門家らは、ドナルド・トランプ前米大統領の政権下で国務省職員の士気が低下すると4年前から警告していた。その懸念は現実のものとなり、トランプ政権下では上級ポストが長期間空席になったり、トランプ前大統領の弾劾裁判で国務省が激しい党派の争いに巻き込まれ、職員の士気は低下した。

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国務省では2017年から2020年の間で、約4分の1の上級職員が離職した。その中には、同省の最高位である大使ら60%が含まれている。

しかし同誌は、「国務省の問題は、トランプ政権に始まったわけでもないし、終わったわけでもなく」、離職の現象は、人材の流出を助長する組織上の欠陥を示していると指摘する。

2日に発表されたこの調査結果は、2020年の米大統領選の直後に実施された。そのため、回答した職員は、ジョー・バイデン氏が間もなく大統領に就任することを知りながら離職を計画していたことになる。つまり、この調査結果は、離職率の増加がトランプ政権の行動だけによらないことを示している。

同省の職員約20%が参加した今回の調査によると、離職理由の上位には、家族、配属、昇進、人種的・民族的偏見などが入っている。

国務省は、米イェール大学を卒業した白人男性を多く採用していると繰り返し批判されてきた。これについてアントニー・ブリンケン国務長官は、インクルージョン(排斥や区別を取り払い、平等に業務に取り組める状態)を最優先事項にすると宣言している。

この調査結果について国務省のネッド・プライス報道官は、「国務省は、職員の士気、福利厚生、満足度を非常に重要視している。我々は、米国が世界をリードし続けるために、人材確保の取り組みを強化している」と述べている。

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