米国研究者 恐竜を絶滅させた小惑星の故郷を特定

米国の研究者らは、6600万年前に恐竜を絶滅させた宇宙体は、火星と木星の間以にある小惑星帯から地球に飛来した幅約10キロメートルの巨大な小惑星であるとの結論に達した。研究結果が学術誌「A&G」に発表された。 研究チームはまず、6600万年前に地球に衝突し、チクシュループ・クレーターを形成した宇宙体の正確な組成を解明するという課題を設定。クレーターの壁面を調査し、岩石の地球化学的分析を行ったところ、かつて恐竜を絶滅させた小惑星は炭素質コンドライトに属することが判明した。これは比較的炭素含有量が高く、そのため黒味がかる宇宙体グループとされている。
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次の段階は、小惑星が地球と衝突する前にたどった経路を特定することだった。これら「黒い」小惑星の生まれ故郷は、火星と木星の間の太陽系小惑星帯の遠方であることが明らかになった。まさにそこから、地球に「招かれざる客」が飛来したのだった。

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研究チームはコンピュータシミュレーションを用い、チクシュループのような巨大な小惑星が地球を訪れるのは2500万年に1回であることを解明した。つまり頻度はこれまで考えられていた10倍であり、次の巨大宇宙体が小惑星帯から地球にやってくる確率は60%になる。というのも、地球から遠く離れた小惑星は定期的にあるポイントを通り、そこから別の惑星の重力により新たな軌道に押し出される可能性があるからだ。そして小惑星の新軌道は地球にとって潜在的に危険な可能性もある。

チクシュループ・クレーターは半径180キロメートル、深さ17-20キロメートル。メキシコ・ユカタン半島に位置し、地球最大クレーターのひとつ。


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