ハーバード大学は米国海洋大気庁の衛星データを使い、煙の裾野がどう流れていたかを調べて、これを米国の各郡にある大気のモニターの測定値と比較し、さらにコロナウイルスの感染と死亡に関する統計情報も組み合わせた。
その結果、2020年の森林火災の際に PM 2.5(大気汚染の原因となる微小粒子状物質)レベルが上昇した時、感染状況が悪化していたことが明らかになった。特に大気汚染が大きく影響したのはカリフォルニア州のビューティー郡、カラヴァレス郡、ワシントン州のウィットマンで、これらの場所ではコロナによる死亡率も高かった。
これは煙の化学成分が気道や肺の細胞に悪影響を与え、肺の白血球の機能を低下させたためで、こうした状態でウイルスが体内に侵入すると、免疫反応が鈍化し、重症化することが多い。
森林火災は今年も世界各地で発生しており、範囲もさらに広がっている。
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