保安庁はウクライナ海軍所属の「ドンバス」がアゾフ海のケルチ海峡に接近しているとの情報を受け取った。その後、「ドンバス」は方向転換をしたものの、ロシア側の照会には応じていない。
ウクライナ海軍の行動について保安庁は挑発的で、安全な航海に脅威をもたらすものと評価した。「ドンバス」はロシア側が進路を変更するよう警告していたにもかかわらず、これを無視してしばらく接近し続けた。
「ドンバス」は現地時間の9日9時12分(日本時間15時12分)にウクライナ南部のマリウポリ港を出港し、ケルチ海峡の方向へと進路を取った。ウクライナ側はケルチ海峡通過の申請をしていなかった。現地時間の13時45分(19時45分)、保安庁国境警備隊の巡視船がロシア連邦の法律を遵守するよう警告していた。これに対しウクライナ側は、ケルチ海峡を通行する計画はないと返答していた。
「ドンバス」は1969年にポーランドで建造された旧ソ連海軍所属の工作艦(洋上工廠・計画304型)。ソ連崩壊後、黒海艦隊が分割されたことによりウクライナ海軍の所属となり、2001年に「ドンバス」(艦番号A500)と命名された。2018年9月に「ドンバス」はロシアの排他的経済水域を含むクリミア半島沿岸を通過していた。
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