同センターは、アジア・太平洋地域の18か国・地域を対象に、2035年までの経済成長見通しをまとめた。米中両国については2060年までの長期予測も示した。
2020年12月の試算では、米中のGDP逆転は新型コロナウイルスの感染拡大が深刻な場合は2028年、標準ケースで2029年としていた。今回の試算で逆転時期が4-5年遅れる一因として、同センターは中国政府による民間企業の規制強化を指摘。生産性の伸びが鈍化し、また長期的には人口減少による労働力不足が成長の足枷になるとした。
中国政府は少子高齢化への危機感を強めており、1組の夫婦に対して3人目の出産を認めた。ただ都市部の不動産価格は高止まりしており、生活コストを膨らませている。長年の産児制限で「子どもは1人」という家庭観も根付いており、市民の出産意欲が高まるかは見通せない。