北海道新聞は26日、安倍元首相が同紙の単独インタビューで、南クリル諸島の問題を含むロシアとの平和条約交渉について、首相在任中に四島の返還ではなく、2島返還を軸とした交渉に転換したことを事実上認めたと報じた。
松野氏は記者会見で「行動は承知している。ご指摘の記事における安倍元総理の発言について、政府としてコメントすることは差し控えたい。いずれにせよ、ロシアとの平和条約については、次の世代に先送りせず、北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するとの方針だ。2018年のシンガポールでの合意を含め、これまでの両国間の諸合意を踏まえて、しっかりと取り組んでいく」と述べた。
ロシア(旧ソ連)と日本は、20世紀中頃から、第二次世界大戦の結果を受け、平和条約の締結に向けて断続的な協議を行ってきた。平和条約締結の主な障害となったのは、クリル諸島南部の帰属に関する問題だった。1945年にクリル諸島全体がソ連に含まれたが、日本側はイトゥルプ(択捉)、クナシル(国後)、シコタン(色丹)、そして現在は無人の島々(歯舞群島)の帰属に異議を唱えている。ロシア外務省は、これらに対するロシアの主権はしかるべき国際法的手続きを有しており、疑いがないことを繰り返し強調している。
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