ロシアと北大西洋条約機構(NATO)の理事会後に行われた記者会見の中で、グルシコ外務次官は次のように発言した。
我々の立場は極めて明確である。緊張緩和は可能である。何よりもまずキエフの政府に対し、ミンスク合意の完全で無条件の遂行を強制する必要がある。ミンスク合意が遵守されればとウクライナの安全保障と領土保全に対する脅威は一切発生しない。こうした緊張緩和を支えるべく、NATO加盟国はウクライナへのあらゆる軍事協力を停止し、武器供給を止め、軍の教官、将校、兵士らを撤退させる必要がある。
その上で、NATOがミンスク合意の遵守に関する必要性を指摘せず、この合意遵守が地域の安全保障強化を実現する上で主要な要素であるという認識を示していないことに懸念を表明した。続けてグルシコ外務次官は次のように発言した。
なぜNATOではそれ(ミンスク合意)を避けるのか、我々はよく理解している。なぜなら、全ての課題、それはロシアを紛争当事国にすることが目的だからだ。そうなのだ。これはロシアの封じ込めを目的とした政策の一環である。
1月12日、ブリュッセルのNATO本部で実施されたロシア・NATO理事会の会議は安全の保証を話し合う交渉の続きとなった。交渉は4時間以上にわたって行われ、ストルテンベルグ事務総長はウクライナをめぐる情勢が主な議題となったと語った。
ストルテンベルグ事務総長は交渉は容易には進まなかったものの、極めて重要なものだったと強調した。また、ロシアがウクライナへ軍事侵攻した場合、NATOは東欧における同盟国の領域のプレゼンスを強化しうると語った。さらに、NATOの拡大を侵略行為とする見解は事実に反すると指摘し、NATOは民主主義の普及ための防衛組織とする自らの考えを示した。