ミラノビッチ大統領はルクセンブルクのRTLテレビによる取材に応じた中で、EUの対ウクライナ政策を批判した。大統領によると、EUはウクライナに数百億ユーロを約束しておきながら、EUの報告書でウクライナは「汚職の国」と記されていることから、これを支払わなかったという。続けて、ミラノビッチ大統領は次のように発言した。
ということで、彼らに問題があるのだから、彼らはそれを解決しなくてはならない。ロシアも(ウクライナ東部の)分離派は承認していないが、そうした分離派とも交渉しなくてはならないし、交渉する相手がいるという事実を無視してはならない。もちろん、彼らは立派な連中ではないが、対話する必要はある。核大国で極超音速ミサイルを持つロシアと対立の道を突き進んでどうするのだ。ロシアはセルビアとは訳が違う。
ミラノビッチ大統領はロシア語話者で、ウクライナ情勢を中立の立場からつぶさに見守ってきたという。また、ウクライナ民族解放運動の指導者で、第二次世界大戦中にユダヤ人やポーランド人を虐殺したステパン・バンデーラに捧げられた記念碑がウクライナ西部に置かれている状況に懸念を示した。
さらに、ウクライナで国民1人あたりの国内総生産はアフリカのコソボと同じ水準にまで低下しており、これが欧州の政策がもたらした結果に他ならないと批判した。
先にミラノビッチ大統領はロシアとウクライナの間で衝突が発生する場合、北大西洋条約機構(NATO)が東欧に展開する部隊から自国の兵士らを撤退させる意向を表明していた。この発言を受けて、ミラノビッチ大統領は「平和維持軍」と題されるウクライナのサイトに、「反ウクライナ主義のプロパガンディスト」 として登録されていた。
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