プーチン大統領は国民向けに行った演説の中で次のように発言した。
自国の核兵器開発を目指すという声明はウクライナ側から既に何度も発表されており、そのことを我々は把握している。そしてこれは単なる虚勢ではない。
プーチン大統領によると、外国からの技術的支援があるウクライナにって核兵器を開発することは一部の国家と比較して格段に容易であるという。
そしてこのことも我々は度外視してはならない。ウクライナに大量破壊兵器が登場することで世界情勢、特に我々ロシアにとっての情勢は劇的に変化する。この現実的な危険性に我々は反応せざるを得ない。
また、ロシアが欧州の安全保障について行なった提案が根本的に覆されたことにプーチン大統領は懸念を示した。プーチン大統領によると、北大西洋条約機構(NATO)の活動をロシアが制限することは認められない上、安全保障を法的に確約できるのはNATO加盟国のみに限られているという。そのうえで、ウクライナがNATOに加盟することでロシアを奇襲する能力は飛躍的に向上すると指摘した。
さらに、ウクライナ憲法第17条には他国の基地を国内に設置しないことが定められているものの、ウクライナ政府はこれをいとも容易く無視したとしてプーチン大統領は反発した。現在、ウクライナにはNATO加盟国の軍事教習ミッションが展開されており、事実上の軍事基地に相当するという。その上でプーチン大統領は、他国の安全保障を犠牲にしてまで自国の安全保障を強化することは国際法上認められていないとして強く抗議した。