キューバを見てください-制裁では新しいものは生まれず、効果の保障もない

英紙ガーディアンは、第2次世界大戦後にキューバとイラン、ベネゼエラ、北朝鮮に対し実施された厳しい制裁措置を例にあげ、これらの国々は経済に大きな打撃を受けたが、しかし、政治体制が変わったところは一つもないと指摘した。
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同紙では、戦時の制裁は、概念として新しいものではないと述べている。しかし、1945年以降、制裁措置は他国の政治体制の変換を目的に頻繁に利用されるようになった。報道によれば、第2次世界大戦後、制裁の実施数、または恫喝として利用された数は1400回以上にのぼる。専門家によれば、制裁実施後の2年間で、国民の生活レベルは4%低下し、経済への打撃が大きくなるほど、制裁措置は成功したことになるという。
しかし、その国の政府に政治転換を図らせるには、経済への打撃だけでは不十分だと、ガーディアン紙は指摘する。同紙は、1950年代後半に米国が制裁を課したキューバを例にあげた。国連とキューバ政府は、60年間の禁輸による同国の経済的損失を総額1300億ドル(約15兆円)と計算している。しかし、米国の制裁がもたらしたものは、米国という共通の敵に対し、キューバ政府が社会を団結させ、あらゆる罪を糾弾するということだけだった。
ガーディアン紙は、ベネゼエラに対する制裁はキューバよりも強力だったと指摘する。同国の経済は7年も成長することがなく、その間にベネズエラのGDPは75%下落、たくさんの難民が発生した。しかし、米国政府にとって都合の悪い体制はそのまま残された。
イランは40年以上も制裁措置を受けているが降伏しようとはしていないと同紙は報じている。世界の最貧国の1つである朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は、核プログラムの破棄を求める国連の再三の決議に応じていない。また、同紙によれば、アフガニスタンに対する海外口座の凍結措置は効果がなかったという。
ガーディアン紙は、「厳しい制裁でさえプーチン大統領を驚かすことはなかった。イランと北朝鮮は、好戦的な独裁政権は、非常に厳しい制裁が課せられようとも、長期間続く可能性があることを示した」と指摘する。同紙は、これまでロシアは制裁を課された他の国々への援助を行ってきたと報じている。しかし、ロシアは制裁という状況を耐えることが可能なのだろうか。これはプーチン大統領に信頼できる本物の友人がどれだけいるか、そしてエリートたちが彼に忠実であり続けるかにかかっていると、ガーディアン紙は強調する。
通信社「スプートニク」は以前、北大西洋条約機構(NATO)の同盟国はロシアに対し前例のない制裁を課したが、その際、同機構はロシアとウクライナの問題の当事者ではないと表明したことを報じている。
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