韓国大統領選挙前夜:有権者の投票先は二分化

9日に投票日を迎える韓国大統領選挙の選挙戦が最終盤に入った。憲法に基づけば大統領任期は1期5年であり、そのため現職の文在寅大統領には2期目に立候補する権利がない。14人が立候補しているものの、「共に民主党」の候補の李在明(イ・ジェミョン)氏と、元検事総長で保守政党「国民の力」の候補である尹錫悦(ユン・ソギョル)氏との一騎打ちといえる。有権者はまだ投票先をはっきりと決めておらず、選挙戦は最後まで気の抜けない状況にある。
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韓国国民大学校のアンドレイ・ラニコフ教授は、過去15~20年でこの2つの政党間の差は顕著に縮まっており、このことは、外交政策をはじめ、あらゆる分野に関連していると考える。同教授は次のように解説した。

「両陣営はほとんど同じように米国政府と連携する用意があると強調している。しかし、李在明氏が米国政府との関係で適度な距離を設け、一定の自治権を保とうとするのに対し、尹錫悦氏とその周辺にとっては、米国との同盟関係の維持は絶対的な必須条件となる。おそらく、両候補における唯一大きな違いは外交政策上の問題であり、北朝鮮および日本との関係での政策だといえる。左派系候補の李在明氏は貿易・経済を含め北朝鮮との交渉の

発展が必要だと考えている。一方、相手候補は、北朝鮮政府に対し極めて批判的だ。尹錫悦氏の支持者は、実際、北朝鮮とのあらゆる経済的、貿易的関係は韓国に損失をもたらし、最終的には北朝鮮の核ミサイルの潜在的な力を強めることになると考えている。そのため、彼らは北朝鮮となんらかの関係をもつことを望んでいない。日本との関係に関しては、尹錫悦陣営は日本との和解が利益になると考えているが、一方で民主党支持者はこれまで通り反日感情が根強いといえる。李在明氏はしばしばこの問題を使い政治的な点数稼ぎをしようとし、同氏は、過去の植民地支配の問題で日本から譲歩を引き出すと主張している」

ラニコフ教授は、とはいえ、通常、韓国の外交政策が選挙結果に影響を及ぼすことは稀で、有権者の関心の中心ではないと指摘する。
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