英国の研究チームは、新型コロナウイルスに感染する前と感染してから平均4カ月半後の401人の脳画像を調べた。
研究チームは、その結果を年齢、社会経済状況、健康リスク要因が類似している384人からなる非感染者の対照群の結果と比較した。そして、新型コロナウイルスに感染した人たちの脳は、非感染者よりも灰白質の喪失がより顕著であり、脳組織の異常が多いことが示された。ネガティブな変化の多くは、嗅覚に関連する脳の領域で発生した。
研究チームによると、高齢者は1年間に脳の領域の灰白質を0.2%から0.3%ずつ喪失する。一方、今回の研究では、新型コロナウイルスに感染した人の灰白質の喪失は非感染者よりも0.2%〜2%多かったことが示された。
英国の研究チームは脳の損傷について、ウイルスそのものが原因なのか、それとも免疫応答によるものなのか、あるいは嗅覚の消失による神経刺激の喪失によるものなのか、今のところ確実に述べることはできないとしている。研究チームは、新型コロナ感染者にみられた脳の異常について、今後なくなるのか、それとも長期的な影響をもたらし、アルツハイマー病や別の形の認知症の発症を促進するのかどうかについて確認するため、1〜2年後に追加の研究を実施する計画。
英国のジョンソン英首相は2月下旬、新型コロナウイルス検査の陽性反応後に義務付けられていた自己隔離の順守を廃止することを発表した。
関連ニュース