ファンの予想は的中し、北京五輪銅メダリストの坂本花織(21)は世界選手権で金メダルを獲得した。
歴史は繰り返すもので、前回の2018年平昌五輪で銅メダルを獲得したケイトリン・オズモンド(26)も同年の世界選手権で金メダリストに輝いた。平昌五輪金メダリストのアリーナ・ザギトワ(19)も出場したが失敗し、5位に終わった。また平昌五輪銀メダリストのエフゲニア・メドベージェワ(22)は当時、世界選手権ではなく、アイスショーの出演を決めていた。今回は、2021年の世界女王で北京五輪金メダリストのシェルバコワ、北京五輪銀メダリストのアレクサンドラ・トルソワ(17)、世界記録保持者のワリエワなどロシアとベラルーシの代表全員が、世界選手権に出場できなかった。
ロシアのファンも自国の選手が不在の中、坂本花織を一番応援していた。ファンはフィギュアスケートのカテゴリーでロシアで最も人気のあるニュースサイト「sports.ru」で様々なコメントを投稿している。
「優勝したのが花織で嬉しいわ。彼女は世界女王にふさわしい。花織は非常にクリーンなスケートを2回行った。メダルは彼女の元に永遠にあり続けるし、ロシア人選手がいなかったという事実もしばらくは誰も思い出さないだろう」
「坂本選手、金メダルおめでとう!とうとう世界選手権でスケートが上手い選手が勝った」
「花織は、しかるべき瞬間でベストを尽くした。金メダルと世界選手権のタイトル獲得の時にだ」
「真のサムライのように、彼女はできること全てを尽くした!」
「花織は運命に導かれたようだ。彼女は世界女王としてだけではなく、独自のスタイルを持つフィギュアスケーターとして歴史に名前を残すだろう」
「世界選手権は見なかったが、花織が勝って嬉しい。チャンピオンの称号に最もふさわしい」
坂本花織選手に対するロシアのファンの応援が大きいにもかかわらず、世界選手権に出場する女子選手の演技内容に不満を抱き、ロシア人選手が持つ豊富な技術と比較することをためらわないファンも一部存在する。
世界選手権で披露されたジャンプの内容は実に不十分なものになった。ウルトラC級のジャンプはトリプルアクセルしかなく、うまく実施できたのは米国のアリサ・リュウ(16)と韓国のユ・ヨン(17)だけだった。日本の樋口新葉(21)もフリースケーティングでトリプルアクセルに挑んだが、転倒した。
ロシアは世界選手権の出場停止に対する不満を隠すことをせず、それまで何度も延期されていた「チャンネル・ワン杯」を開催した。最も熱狂的なファンは開催地のサランスク(ロシア連邦モルドヴィア共和国の首都で、モスクワから南東600キロメートルに位置)を訪れ、北京五輪後初めてお気に入りのスケーターを生で目にしたのだった。
同大会は、初日の25日に2チーム対抗のジャンプフェスティバル、2日目と3日目にはショートプログラムとフリースケーティングが行われる。
ジャンプフェスティバルは実に多彩なものだった。この競技ではエテリ・トゥトベリーゼ門下生のジュニア選手ソフィア・アカチエワ(14)が4回転トウループをきれいにきめた(12.73点を獲得)。そのジャンプに対し、エフゲニー・プルシェンコ門下のジュニア選手ヴェロニカ・ジリナ(14)は4回転サルコウ・オイラー・シングルサルコウ・オイラー・ダブルサルコウで応じた(12.98点)。
シェルバコワは4回転フリップをきれいに決めた(15.62点)。第2ラウンドでは4回転フリップ・3回転トウループ・オイラー・3回転サルコウ・3回転トウループで22.26点を獲得した。そしてシェルバコワは決勝ラウンドでは4回転フリップ・オイラー・3回転サルコウ(20.86点)を実施した。
ワリエワは4回転トウループ・オイラー・3回転サルコウ・オイラー・3回転サルコウを実施した(23.09点)し、決勝ラウンドでは4回転トウループ・オイラー・3回転サルコウ(19.05)を跳んだ。
ショートプログラムやフリースケーティングの内容を比較するのは26日以降になるだろう。 アレクセイ・ミーシン門下のエリザヴェータ・トゥクタミシェワ(25)を除く全ての選手が今シーズンのプログラムを披露する予定だ。