大阪大学の西田幸二教授らのグループが4日、同大学で記者会見を開いて明らかにした。
移植手術を受けたのは、目の角膜が濁る難病「角膜上皮幹細胞疲弊症」で視力が著しく低下した30代から70代の4人の患者。健常者のiPS細胞から作ったシート状の角膜の組織を移植する手術で、2019年と2020年にそれぞれ2回、大阪大学医学部附属病院で行い、それぞれ手術後1年間、経過を観察した。
その結果、4人のうち3人は日常生活に支障がない程度まで視力が向上。裸眼で0.04ほどだった視力が0.6まで改善した患者もおり、拒絶反応や感染症など重い副作用は確認されなかった。
西田教授は会見で「明確な効果を示すことができ、大きな意義のある結果だ。世界中の患者によりよい治療を届けられるよう今後、臨床試験を経て、速やかに実用化を目指したい」と話した。
関連記事