4月4日以前の東証は、1部、2部、ジャスダック、マザーズ(Market of the High-Growth and Emerging Stocksの略称)の4つの区分で構成され、それぞれ上場企業の規模に応じて、大企業、中堅企業、小規模だが急成長する企業の株式が取引されていた。上場企業数では、東証1部が2177社、東証2部が475社、ジャスダックが686社、マザーズが432社だった。これが「プライム」「スタンダード」「グロース」の3市場に再編された。
東証1部から8割以上の企業(1839社)が、より高い成長性のみならず、より高い基準のコーポレートガバナンスが求められ、グローバルに競争できる企業向けのプライムに移行した。スタンダードは、プライムほど時価総額は大きくないものの、持続的な成長が期待できる企業を対象としている。これまでにスタンダードに移行した企業は1466社。グロースは比較的高い成長性が期待できる一方で、比較的高いリスクを伴う新興企業を主な対象としている。ジャスダックやマザーズから465社が移行した。
振り返ってみれば、1949年5月16日に戦後の取引を再開した証券取引所は、一連の改革・改良を行い、日本経済の成長に貢献した。しかし、今回のような本格的な改革・再編は初めてであり、東洋経済オンラインはこれを「73年ぶりの大祭典」と呼んだ。
ロシアのフィナム・ファイナンシャル・グループのアナリティカル本部長、ミハイル・アリスタケシャン氏が東証再編についての考えをスプートニクに語った。
「セクションなどの上場区分は、東証以外の取引所にも存在しますし、今回の再編により、取引所での取引そのものは原則的に何も変わりません。今回の再編ではプレミアムへの上場基準が厳しくなったというのが本質だと私は考えています。おそらく、セクション区分を投資家と上場企業の双方にとって、より理解しやすいものにするためだと思われます。また、プレミアムの「格」を上げて、企業がプレミアムを目指すようにすることも目的でしょう。投資家は、流動性があり安心できる大企業の銘柄を好みますから。企業による事業効率化の取り組みは投資家の注目を集め、資本流入を促進するでしょう。」
国際取引所連合によると、東京証券取引所の時価総額は2月末時点で6兆1千億ドルを超えている。世界最大の証券取引所であるニューヨーク証券取引所は26兆1千億ドル、上海証券取引所は7兆8千億ドル、香港証券取引所は5兆2千億ドルを超える。