演説でゼレンスキー大統領はウクライナ情勢について語り、ギリシャに対して可能な限りの支援を求めた。その演説で、ウクライナ南部のマリウポリにいるギリシャ出身の2人の戦闘員が登場。そのうちの1人はマスクで顔を覆っており、もう1人はアゾフ大隊の戦闘員だと明らかにした。
ゼレンスキー大統領の演説に、ギリシャの野党は激しく反応した。「SYRIZA-急進左派連合」のツィプラス党首は演説終了後、スタンディングオベーションを行わなかった。
ツィプラス氏は、「ミツォタキス首相には絶対的な責任がある。(中略)これは歴史的な恥辱だ。ウクライナの人々との連帯は当然のことだ。しかし、ナチスが議会で発言する権利を持つことはできない」と述べた。
その後、ギリシャ政府は、過激な民族主義グループ「アゾフ」の兵士がギリシャ議会での演説に参加したのは誤りであったと認めた。
ヤニス・イコノム首相補佐官は、「アゾフ大隊のメンバーが演説に参加したのは誤りで、失敗である」と述べた。
ウクライナには、国内での活動が禁止されているにも関わらず、実際には民間軍事会社として存在する複数の組織が活動している。その1つがアゾフ大隊で、正式には国家警備隊の下部組織とされている。この大隊のメンバーは、過激な極右やネオナチのイデオロギーと関連がある。アゾフ大隊は、ロシア領内での活動が禁止されている。