主任研究員のアンナ・ベロウズ氏は、「犬は、人間との相互の繫がりという点で、他の動物とは違っている。こうした関係は、馬や猫などの他の家畜との間では見られない、アイコンタクトによって示されている」と語った。
研究結果は、何千年もの試行錯誤の結果として、人間が「顔」の表情の形成に貢献したことを示唆してる。
ベロウズ氏によれば、人々は自らの表情にもっとも似ている犬を選んだという。同氏は、「時間の経過とともに、犬の筋肉は『より速く』動くように進化し、そのことで、犬と人間の意思疎通がさらに深まった」と指摘した。
例えば、犬は遺伝的に「いとこ」にあたる狼よりも、顔の筋肉が「より早く伸縮する」ようになった。
2019年に行われたべロウズ氏と彼女のチームによる研究では、犬とは異なり、狼は「眉毛の内側」を上に引き上げる筋肉を持っていないことが判明した。研究チームのマディセン・オムステッド氏は、「犬はこの眉毛の動きによって、人が悲しんでいるときの表情を連想させる『子犬の目』のような表情を作り出し、人を惹きつけけ、気になる存在となった」と語った。
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