「韓国のお面をかぶったサムライのチーム」
歴史問題は、いつまで日韓関係に重くのしかかるのだろうか。 ロシア科学アカデミー東洋学研究所韓国・モンゴル部長のアレクサンドル・ヴォロンツォフ氏は、しばらくは対立ではなく対話が成立するかもしれないが、両国の領土問題も未解決であるし、不信感は依然として高いと指摘する。
「問題は、少なくともお互いの苦情を最小化することに成功するかどうかだ。なぜなら、歴史的な記憶があまりにも痛々しい上に、領土問題が未解決のままだからだ。韓国との関係については、日本の社会や権力者の間でまだコンセンサスが得られていない。それだから、韓国の中においても、このようなアプローチは、全員から理解されるものではない。尹錫悦(ユン・ソンニョル)氏の政党は勧告国会では少数派であり、どんな決断をするにしても困難を伴うだろう。北朝鮮は韓国代表団のことを、その道徳性や原則の無さから「韓国のお面をかぶったサムライのチーム」と呼んだほどだ。
相容れないバックグラウンド
ヴォロンツォフ氏の見立てでは、米国は韓国人と日本人を積極的に「しつけ」ようとしているが、日米韓のトライアングルはより緊密な協力関係を実現できていない。
「韓国が米国の戦略に組み込まれていることが、例えばクアッド(日米豪印4か国戦略対話)への招待に見られるけれども、日本と韓国が抱える相容れないバックグラウンドが和解を阻んでいる。今、韓国の経済界は日本との関係正常化を望んでいるが、これは経済の相互依存性を物語っているに過ぎない。しかし、ビジネスはビジネスであり、歴史の記憶は「集団的アイデンティティ」の土台となるものだ。そして、この矛盾した状況を緩和するための前提条件はいくつかの分野ですでに存在しているが、完全な正常化を語るには、まだ早すぎると思う。」