沖縄県警によると、シエゲル上等兵は米軍側の管理下にあるが、拘束されているかどうかは不明。日米地位協定では、殺人・強姦などの重大犯罪の場合、被疑者を起訴前に身柄を引き渡す途が開かれている。
ヘリコプターやオスプレイによる事故
2021年6月2日夜、普天間基地所属の多目的ヘリ「UH1Y」がうるま市津堅島の畑に不時着する事故が発生した。その後の7日、ヘリは自力で離陸した。翌8日には、米海兵隊太平洋基地政務外交部長のニール・オーウェンズ大佐が津堅島を訪問。地元住民に不安と不便をかけたとして謝罪した。またオーウェンズ氏は、ヘリの警告ランプが点灯したため安全を確保するために予防着陸を行い、乗務員は広くて安全で住宅地から離れている場所を選んだと不時着の経緯を説明した。
同年8月12日、普天間基地所属の垂直離着陸輸送機「MVオスプレイ」の部品が落下する事故が起きた。落下した場所は沖縄本島かその周辺海上とみられ、長さ110センチ、幅約70センチ、厚み約2センチのパネルと、フェアリングの一部(長さ約40センチ、幅約40センチ、厚み約0.3センチ)が落ちたとみられる。この事故による怪我人や建物の被害は報告されていない。6月にうるま市でヘリ不時着の事故が起きていたことから、謝花副知事は「激しい怒りを覚える」と述べた上で、米軍側から事故に関する県への連絡は翌日となった点を非難した。米海兵隊のオーウェンズ大佐は住民に不安を与えたと謝罪し、連絡が遅れたことについては今後改善に努めると述べた。
松川・宜野湾市長は安全が確認されるまでオスプレイの飛行停止を求めたが、オーウェンズ氏は「即応態勢を維持するため、緊急点検した上で飛行を再開している」と述べ、その要請には応じなかった。
沖縄の本土復帰50年 世論調査では認識のずれも
2022年5月15日、沖縄県は米国から本土復帰して50年を迎える。NHKはこの節目に合わせて沖縄県と全国の18歳以上のそれぞれ1800人を対象に、本土復帰や基地問題について世論調査を行った。実際に回答に答えた人の数は、沖縄県では812人。全国では1115人。
その世論調査では、沖縄県民のみが答える質問も用意された。本土復帰に「とてもよかった」と回答した沖縄県の人々の割合は39%、「ある程度よかった」と答えたのは45%と合計で80%を超えた。一方で「あまりよくなかった」、「まったくよくなかった」と答えた人の割合は合計で14%となった。
米軍基地に関する質問では、沖縄県と全国で認識のずれがみられるものもある。「復帰後も沖縄に残る米軍基地をどう思うか」という問いで「日本の安全にとって、必要だ」と答えた沖縄の人々の割合は11%、全国では12%と同程度だが、「やむを得ない」と答えた沖縄の人々の割合が51%に対し、全国では68%となった。また、「かえって危険だ」を選んだ沖縄の人々の割合は17%だが、全国では5%となった。
「在日米軍の専用施設の約70%が沖縄にあることをどう思うか」という問いでも認識のずれがみられた。回答した沖縄の人々の56%が「おかしいと思う」と答えたのに対し、全国では24%だった。
また、沖縄県の人々を対象にした問い「沖縄の米軍基地をどうすべきか」では、63%が「本土並みに少なくすべきだ」、16%が「全面撤廃すべきだ」、18%が「現状のままでよい」とお答えている。同じく沖縄県の人々を対象とした問い「米軍基地があることで事件・事故に巻き込まれる不安」では、「非常に感じている」と答えた割合が38%、44%が「ある程度感じている」と答えており、この2つの合計で8割を超えている。
沖縄県の玉城知事は9日、本土復帰50年を迎えるのを前に毎日新聞のインタビューに答え、その中で米軍の事故や兵士による事故に触れている。
「多くの県民が怒りをためている状況にあるのではないか。50年たっても基地があるが故にさまざまな問題が存在し続けているのが大きな問題だ」
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