研究者らは、これまでロシアでも国外でも、船外活動を行う宇宙飛行士らの移動のための設備はいくつも作られてきたが、宇宙服にジェットエンジンが取り付けられたこれらの設備には共通の欠点があったと指摘する。宇宙服と移動のための設備をつけた宇宙飛行士はかなりの重量となるため相当量の圧縮ガスが必要となるというのである。つまり、大きくて重い設備は、船外活動の際に一定の障害になる。加えて、飛行士がたとえば活動中に意識を失った場合、そのような設備は使えなくなり、自分でステーションに戻ることができなくなるのだという。
この度、ロシアの研究者らが開発したロボット複合体は、宇宙飛行士が宇宙船とのコンタクトを失った際に、自動または監視する別の飛行士の指示に従って「救助」モードになり、瞬時に宇宙飛行士を確保しうる最適な軌道を計算し、その軌道上に救助のための小型衛星を発射する。小型衛星は宇宙飛行士に向かって飛び、自動または宇宙飛行士による手動で、救助ロープを宇宙服につけられた特別な装置とを連結させ、その後、ロープを巻き上げ、救助した飛行士を宇宙船に引き戻すことができるという仕組みになっているとのこと。
ロシアの研究者が、植物の種子を宇宙で保管する施設の建造を計画しているというニュースは「スプートニク」の過去の記事よりお読みいただけます。
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