同じ価値を持つ新たなパートナーを探すEUにとって、日本は理想的なパートナー

5月12日に東京で、対面形式で実施された日本とEU(欧州連合)の第28回定期首脳協議では、ロシア産エネルギーへの依存度を軽減しながらロシアへの圧力を強め、代替エネルギーへの早期移行に向けた措置を講じ、またアジア太平洋地域情勢の不安定化を阻止し、供給の安定と安全を保障し、防衛分野・デジタル化における協力を拡大するため共に努力していくことで合意がなされた。
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今回の首脳協議で、日本の岸田文雄首相はウクライナ危機からの教訓を生かすよう呼びかけ、力による一方的な現状変更を許してはならないと強調した。これは、高い確率で、台湾を武力で統一するべきではないとした中国に対する警告だというができる。この問題において意見の一致を見る日本とEUは、サイバーセキュリティー、海上の安全、危機管理、合同演習の実施などを含む防衛分野での協力を拡大する意向を示している。日本とEUはまた核なき世界の達成と核拡散防止条約の目的を遵守していく姿勢を確認した。また日EU首脳協議を総括し、シャルル・ミシェル欧州理事会議長とウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長は、EUはアジアにおいてこれまでよりも大きな役割を果たしていく意向だと表明した。
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今回の首脳協議では、経済協力について多くの時間は割かれなかった。というのも、日EU定期首脳協議で署名された経済連携協定がわずか3年前の2019年2月1日に発効しているからである。この協定で、日本はEU諸国の製品の関税の94%、EU側は日本製品の関税の99%を撤廃した。さらに日本製自動車の関税は協定発効から8年後、電化製品は6年後にそれぞれ撤廃されることになっている。EUの代表によれば、この協定により、EUと日本の貿易構造は近年、バランスの取れたものになっている。2023年に日本でG7(主要7か国)サミットが開かれるのを前に開かれた今回の首脳協議では、前進に向けた重要な一歩として、経済成長を促すことを狙いとした日EUデジタルパートナーシップの立ち上げが宣言された。
日本とEUの関係がなぜ、そしてどれほど重要なのかについて、「スプートニク」は世界経済国際関係研究所のEU研究部門を率いるユーリー・クワシニン氏にお話を伺った。

「ここ数年、EUと日本の関係は戦後最大の発展を遂げています。EUは、ロシア、中国との間で異なる価値観を持つようになる中で、同じ価値観を持つ新たなパートナーを必要としています。米国のトランプ前大統領以降、EUと米国の関係はかなり改善されたと考える人もいますが、まったくそうとも言えません。EUはロシアに対しては米国の政策と連帯していますが、たとえば、EUと米国の間ではまだ大西洋横断貿易投資パートナーシップ協定の締結には至っていません。しかも、米国では共和党の立場が強まっており、次の選挙で勝利する可能性も除外できません。こうした条件下で、EUはより予測可能で、信頼できるパートナーを模索しています。それがカナダと日本です。日本との非関税の貿易は、最大の自由貿易圏の一つで、技術的に発展した知識集約型経済国との貿易です。とはいえ、日本の経済は、英国が脱退した後のEUの経済、あるいは米国の経済よりも規模が小さいです。他の国々と協力することなく、世界のリーダーシップをとるというのは非現実的な話です。しかし、ロシアや中国との協力は政治的な理由により、不可能です。そして米国は、一方で競争相手であり、他方でEUにとって米国に依存することは許し難いことであることから、米国との協力もあり得ません。ですから、こうした意味で日本はEUにとって理想的なパートナーだと言えるのです」。

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