オーストラリアのABCニュースは、中国の王毅外相とオセアニアの小さな島国の代表者らは、安全保障から漁業にわたる幅広い分野での大規模な協定をめぐっては合意に達することができなかったと伝えている。ABCニュースの報道によれば、安全保障協定に関する中国の提案に対し、太平洋の10の島国は、「中国の衛星国になる」ことを危惧し、これを拒否したという。
中国はこの協定で、これらの国々の治安機関の教育に参加し、サイバー安全保障問題に関与し、政治的関係を拡大し、地上および海中の天然資源に、より広いアクセスを得ることを提案していた。
またABCニュースが報じているところによれば、ミクロネシア連邦のデイヴィッド・パヌエロ大統領は、最近、国内の政治家に向けて送った書簡の中で、中国側の提案について、「政府への中国の影響が及ぼされ」、主要な部門に対する「経済上の管理」が行われるとして、「誠実なものではない」と考えていると警告した。
一方で、中国外務省は、王毅外相の太平洋地域歴訪は、現在、協議の過程にある協定合意に向けた重要な一歩であるとの見解を明らかにしている。さらに、新華社通信は、王毅外相の言葉を引用し、第2回目の会議では、中国と太平洋諸国の間で次の5つの項目について合意に達したと報じている。
包括的な戦略的パートナー関係を深化し、根本的な利益を厳守しながら互いを助け、双方の主要な懸念を考慮し、包括的な戦略敵パートナーシップを常に強化、拡大していく。
主権、自由、国家の尊厳を互いに守り、内政不干渉の原則を遵守し、法的権利と発展国の利益を擁護する。
総合的な発展と繁栄、新型コロナウイルスおよび経済の回復に関する脅威に共同で対処していく。
真の多国間主義の原則を堅持する。
国民間の相互理解を促進する。
王毅外相によれば、中国は、教育、文化、青年政策、スポーツ、マスコミなどの分野における太平洋諸国との協力を活発化させる用意があり、これらの国々に対してさらなる国家による奨学金と教育の機会を提供し、地元レベルでの協力を支持する計画である。
オーストラリアの新聞サイトABCニュースは、中国は大規模な合意という点では敗北したが、より重要性の低いところでは、一連の勝利を収めたと指摘している。
王毅外相は、歴訪の中で、太平洋諸国との間で2国間合意に署名を行なった。たとえばキリバス共和国との間では、経済を目的とした協力から具体的な橋の建設に至る10もの合意を締結した。
指摘しておくべきなのは、これらの多くの島国の住民たちは、中国の投資に自国のための現実的な利益を見出しており、中国の存在の拡大は人々に利益をもたらすとはっきり口にしていることであるとABCニュースは指摘している。
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