スカラ座は、ミラノの守護聖人・聖アンブロジオの日である12月7日にガラ公演を上演するのが恒例だが、2022年末のこの日の演目は『ボリス・ゴドゥノフ』だという。
スカラ座の理事長を務めるミラノ市長ジュゼッペ・サラ氏は、ロシアの作曲家ムソルグスキー作の『ボリス・ゴドゥノフ』は傑作であると評価し、この日を「平和を祝う聖アンブロジオの日」にしたいと述べている。
スカラ座の音楽監督を務める指揮者のリッカルド・シャイー氏は、ロシアを取り巻く政治と文化を区別する考えを示しており、以前から演目にもっとロシアの音楽が入るよう求めていたという。
シャイー氏は、政治と芸術について以下のように述べている。
「ウクライナで起きていることに対して、芸術的な側面からペナルティを課すことは危険だ。我々が90日以上も不幸な状況で生きていることを考えると、素晴らしい音楽はあるべき姿で独立して生きることができる、と言うことが必要だと思う。この2つの事柄を区別することが重要だ。名作を蘇らせる功績は、出来事とは全く無関係に与えられるべきである。」
スカラ座で2022年末に上演される『ボリス・ゴドゥノフ』には、ロシアのオペラ歌手、イルダール・アブドラザコフ氏と、ディミトリー・コルチャック氏が出演する予定。