ホワイトハウスの対外政策方針を反映した国家安全保障戦略は、政権毎に更新される。レーガン大統領以降の習わしだ。バイデン政権は独自の国家安全保障強化戦略計画を2022年1月に発表する予定だったが、状況が変わった。米国の官僚は欧州とは異なり、ロシア軍がウクライナ国境付近で兵を集めていることは、ロシア軍が間もなく隣国領土に侵攻することを意味するとの確固たる信念に至った。これにより、戦略作成の初期段階では主に中国とアジアに焦点を当てていたのが、更新版ではアジア・欧州問題は相互関係がある問題として取り扱われることになった。
同紙によると、サリバン米大統領顧問(国家安全保障問題担当)は、米国は明確に、欧州とインド太平洋地域で実施する自身の対外政策を調整していくと宣言した。
ブリンケン国務長官も同様の発言をしている。米国の対中国政策に関する基調講演の中で、ロシアが「明確な現時点の脅威」であるのに対し、中国は「長期的視野における国際秩序に対する深刻な挑戦」であると強調した。
米国の新・国家安全保障戦略では、ロシアが欧州にもたらす問題、中国が台湾にもたらす問題は単独に解決してはいけないと指摘される予定だ。
バイデン大統領はこれより前、ロシアが米国あるいはその同盟国を攻撃しないのであれば、米国側にはロシアと戦うという目的はない、と述べた。米国は単に、ウクライナを繁栄した民主主義国家にしたいという。
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