クリスティーズのバイオリンの専門家は、出品されたバイオリンはストラディバリの最高傑作の1つと呼んでいる。専門家によると、この楽器はまずその美しさが印象的だという。バイオリンの縁には500個のアイボリーのダイヤモンドがセットされ、黒い装飾が施されている。バイオリンそのものは金漆で覆われている。
しかし、英国のバイオリニスト、ブリマ・カンヌ-メイソン氏は、バイオリン「Hellier」の一番の魅力は、その独特の音にあると指摘する。
「Hellier」は、ストラディバリが従来のプロポーションとは根本的に異なる新しい形で製作した初のバイオリンとなった。その結果、この楽器の音色は何倍もの広がりをもち、ニュアンスが豊かになった。同バイオリニストは、このようなバイオリンは、弓のタッチに驚くほど敏感に反応するため、慣れるまで少し時間がかかると言う。
ストラディバリは55年間この楽器を手放さず、1734年になって初めてサミュエル・ヘリエ氏という英国人に40ポンド(約6700円)で販売した。
ここからバイオリンは「Hellier」と名付けられた。現在、このバイオリンは、遥かに高額となっている。そのことは、7月7日に開催されるオークションで確認することができる。
通信社スプートニクは以前、19世紀末のベネチアの有名な職人、ジュリオ・デガーニ氏が製作したバイオリンを、パリ市民がゴミ箱の横で見つけたというびっくりするようなニュースを紹介している。
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