ブルームバーグの報道によると、ガスプロムが技術的問題で欧州向けガス供給を削減したことを受け、フランス、イタリア、オーストリア、ドイツといった欧州諸国がガス不足に直面している。
6月14日時点でガスの備蓄は52パーセントとなっていたが、最新のデータでは1ポイント減少。4月中旬以降で初めて、地下貯蔵施設のガス備蓄が減少した。例年、夏季に備蓄を増やし冬のガス需要のピークに備えているが、今年は備蓄分をすでに使い始めているとみられる。
専門家はこうした動きがエネルギー価格の更なる高騰を招くと懸念を示している。また、米国産の天然ガスについても、米国内最大級の工場が停止していることで供給が減少しており、エネルギー危機に拍車をかけているという。
ガスプロムはガス圧縮施設に必要な独インフラ大手「シーメンス」製のガスタービンの修理の遅れなどを理由として、ガスの供給を削減した。6月16日時点の1日あたりの生産量は6700万立法メートルとなっている。ロイター通信によると、ドイツに天然ガスを送る「ノルドストリーム1」の稼働率は約40パーセントにとどまっている。
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