2020年の年明け、ウラジオストクは日本に一番近いヨーロッパとして若者の間で大きく注目され、日本航空(JAL)は成田=ウラジオストク線のデイリー運航を2月末に開始するところだった。さらに全日空(ANA)も同路線に3月から参入する予定だった。ロシアを旅行するには観光ビザが必要だが、ウラジオストクの場合は電子ビザのみでOKにするなど、日露双方で観光客を増やす様々な試みがなされていた。そこをコロナが襲い、コロナが一段落したと思ったらロシアによる特殊軍事作戦が始まり、観光は絶望的な状況になっている。しかしシェスタコフ氏は、この積み重ねは必ずや未来に生かされるべきと考えている。
「JALとANAが就航を決めたことは、ロシア極東、特にウラジオストク市民にとって、単なる人や物の往来でなく、日本との文化的つながりを深めるという意義あるもので、ゆくゆくは、深くお互いのことを理解できるという、希望を与えるものでした。例えば私自身、極真会空手を長年やっています。こういうスポーツや文化活動の一つ一つが重なっていくことで、日本人との間に深い友情が築かれていくのだと思います。
この路線が就航するために非常に多くの労力を費やし、日本人旅行者の皆さんのリクエストや要望に応じて観光インフラを整備してきました。その積み重ねは消えてなくなるべきではありません。経済的なつながりは、相互の文化的理解なくして発展するものではないのです。心から、近い将来の観光復活と路線再開を望んでいます。
ウラジオストクの姿勢がオープンであることは間違いなく、近い将来、私たちは友人であることが再認識してもらえると信じています。今日もロシア政府観光局の報告にあったように、私たちは誰に対してもオープンなのです。今、起こっていることに対して、ロシアというのは強大な力の国という印象を与えるかもしれませんが、それでいながら、ロシアの各都市は、日本からのお客さんを迎え入れるのが嬉しい、理解し合える隣人でありパートナーなのです。」
シェスタコフ氏は、ウラジオストクには日本人にとって魅力的な観光資源がたくさんあると強調した。
「JALとANAの就航に際して、日本人が快適に旅をしつつ、好奇心・興味を持ってくれるような観光インフラを準備してきました。それを全部制覇するには、数年かけて何回もリピートする必要があるようなものです。それに、今年中に日本のホテルチェーンであるオークラがウラジオストクにオープンすると自信を持っています。日本の会社の飛行機でやってきて、サービスのレベルがはっきりしている、定評のあるホテルに泊まることは、それだけで一定の快適性を与えます。文化・スポーツ的要素は、ウラジオストクに行くかどうかを決める重要なもので、マリインスキー劇場沿海地方別館で行われるクラシック音楽のフェスティバル、ウラジオストクの大橋を通るマラソンなどがあります。特に日本ではやっていない、冬の氷上マラソンは、日本の皆さんにぜひ体験してもらいたいです」
関連ニュース