経済フォーラムにおいて、大臣クラスを含む50人以上のインド代表団に取材し、主要な会合に同席したインド人ジャーナリスト、ドクター・シンク・ラメシワール氏に話を聞いた。ラメシワール氏は、ニュースポータル「Disha」の創設者で、ロシアインド友好協会を立ち上げるなど、両国の交流に取り組んでいる。インドはどのようにロシアビジネスを進めていくつもりか、話を聞いた。
ラメシワール氏は、インドは日本よりもヨーロッパに取って代わりたい、と指摘する。
「昔は日常で使うこまごまとしたものの中に、インド製品がたくさんありました。それがヨーロッパに取って代わられてしまった。今インドは、日用品分野で、かつてのシェアを取り戻すチャンスだと捉えています。日本の製品に取って代わる可能性があるのは、自動車製造の分野とか、自動車部品だと思います。インドは必要なものをロシアに送る用意があります」
インドのビジネス界はロシアとの協力に非常に前向きだが、フォーラムでは取り組むべき課題が浮き彫りになったと振り返る。
「インドからロシアへの輸送は、ムンバイ、イラン、アゼルバイジャン、モスクワ、サンクトペテルブルクというルートがあって、すでに船が出ています。インドはこれを安全なルートと考えています。しかしロジスティクスの問題は大きいです。コンテナも船も全然足りないですし、現在使える航路は、インドからロシアに輸出するのに、じゅうぶんな量をさばけるものでは決してありません。あと、支払いの問題も、まだ解決できていません。ルピーとルーブルでの取引はごく一部でのみ行われています。そういう契約はかなり昔からあったのですが、契約内容でそう書いていても実際は違う方法で払うということがよくあったわけです。今、ドルやユーロで支払うことを避けるために、これを改めようとしているわけですね。プーチン大統領も述べているように、ロシアは自国通貨での取引を推奨していますから。インドにとってもロシアにとっても、ドルやユーロを経由しない直接取引は、安全な方法だと考えます」
ラメシワール氏によると、すでにインド当局は、問題解決に向けて動き始めたという。世界的なロジスティクスの問題が解決されるのには時間がかかりそうだが、その障害さえなくなれば、インドとロシアが接近するスピードは非常に早くなるだろう、と期待を見せる。
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