世界では、過去30年で、産業にとっては好調な状態となっている。資源やエネルギーは安価で、また世界人口の年齢構成も、労働力人口が上回っていた。また世界的な貿易の自由化の動きも、経済発展に大きな刺激を与えた。
しかしながら、こうした世界経済の成長のための要素は少しずつ消滅しつつあり、低コスト生産の時代は終焉を迎えようとしている。欧州では、すでに市民の高齢化が進み、労働力人口の割合が減少していることから、技能の高い労働者が不足し、イノベーションが鈍化し、社会支出が増加し、貯蓄レベルが低下し、その結果、経済成長の可能性も低減している。
経済危機からの脱出のもう一つの障害は、原料の不足が進んでおり、またそれによってその価格が高騰していることである。このプロセスは、多くの国々で行なわれている、排出物を含む製品に対する価格の値上げを見込んだ気候変動政策によってもより一層深まっている。
これに伴い、輸送にかかる価格も高騰している。そしてその結果、現代のビジネスモデルの多くがその価値を失うことになろうとしている。商品やサービスの不足によって、多くの国の政府が保護主義政策の強化を迫られている。つまり、外国の競争相手を犠牲にして、自国の企業に優先権を与えるということである。
強まりつつある保護主義、大規模な補助金、地政学的な緊張状態といったものすべてが、ますます国際貿易の障壁となり、結果、反グローバリゼーションを引き起こしており、最終的に誰もが敗北することになるとディ・ヴェルト紙は締めくくっている。
世界銀行のアナリストらが、2022年と2023年の石油価格予測を上方修正したというニュースは、「スプートニク」の過去の記事よりお読みいただけます。
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