23日、ベルギー・ブリュッセルで開かれたEUサミット(首脳会議)では、ウクライナとモルドバに加盟候補国の立場を認めることが全会一致で承認された。
これを受けてサンドゥ大統領は、テレビ局「プライム」に出演した中で、「ただし、我々がEU加盟国になる前に、沿ドニエストル紛争を解決する必要がある」と主張した。その上で大統領は、「しかし、沿ドニエストルの市民も賃金の上昇や雇用の増大、権利保護などを求めていることから、EU加盟への動きにより、紛争の解決策の模索は容易になるかもしれない」と指摘した。
また大統領は、モルドバの欧州への統合について、沿ドニエストルを含め、国全体で実現されなければならないとも強調した。
ロシア人とウクライナ人が住民の60%を占める沿ドニエストル共和国は、ソ連邦崩壊より前に、民族主義の高揚の中で、モルドバとルーマニアが国家統一されることを危惧し、モルドバからの独立した。1992年、モルドバが武力による解決を試みたが、これが失敗に終わった後、沿ドニエストル共和国は事実上、モルドバ中央政府の実効支配の及ばない状態となっている。
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