外傷による死亡の40%は出血が原因。戦地ではこの数値はさらに上がる。豪州の科学者たちの開発した、カーペットバイパーという蛇の猛毒をベースにしたユニークな止血剤は多くの人命を救う方法を発明した。カーペットバイパーの毒はほとんど瞬時に血液を凝固させ、血管の閉塞、壊死を引き起こすため、噛まれた人は致死する。しかし、科学者たちは、この致命的な化学反応を逆手にとって、人類に役立てることに成功した。
科学者らは蛇の毒から2種類のたんぱく質を抽出。一つは血液凝固を促進し、もう一つは傷口の表面で血栓を安定化させ、保護膜を形成し、出血を長期的に防ぐことができる。
作られようとしている薬剤はハイドロゲル状で常温では液体だが、傷口に塗るとすぐに凝固するためガーゼや包帯は必要なくなる。製薬会社は、血液が凝固するまでの時間が短縮されることで、一刻を争う大量出血でも生存の可能性は高まると説明している。
ロシアの科学者は先に、蛇毒のある成分がコロナウイルスの作用を阻害することを発見している。
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